其の百八十九 「グリル欧風軒」

「ジューシーな牡蠣フライで検索すると出てきたよ。」という言葉に誘われて、第四ビルの欧風軒へ。
牡蠣フライとハンバーグという黄金のセットメニューを注文。
牡蠣フライは黄金色に揚がっている。
衣の歯ざわりは「カリッ」と歯ごたえがある。中の牡蠣は柔らかく、ふむ、なるほどジューシーだ。
「ええやん、ええやん!」イメージしていた牡蠣フライに近い。
牡蠣のジュースがほとばしる、溢れ出る、とまではいかないが、牡蠣のジュースが滲み出る、とは言える。
一気に3個を食べる。
牡蠣フライを食べるたびに思うのだが、最初の1個が一番美味い。
揚げたてなので牡蠣の温度が絶妙で、牡蠣のジュースが滲み出る温度なのだろう。
それが2個目、3個目となると時間の経過とともに牡蠣に熱が通り過ぎ、出るジュースの量が減ってくる、ということなのだろう、と解釈している。
さて続いてハンバーグ。
美味しいものは肉汁が溢れ出るので、箸で切ると下に肉汁が流れ出てしまいもったいない。
そこで箸でハンバーグを持ってかぶりつく。
「おう!」肉汁が溢れ出た。
肉汁がこぼれないようにじゅるっと吸う。
かぶりついて、吸う・・なんという行儀の悪さ、美しくない食べ方だろう。
しかし旨みの元である肉汁を逃さないためには仕方がないのだ。
ハンバーグも一口目がもっとも肉汁が出て、当然もっとも美味い。
おそらく焼くときに、最初は強火で外側を固めてから、その後は弱火でじっくり中に熱を通し、絶妙の頃合を見計らって提供しているのだろう。
だから最初の一口で外側を破ったときに、肉汁が溢れ出るのだろう。
何はともあれ、美味しい牡蠣フライとハンバーグに出会えて、大変幸せであった。