其の十一 「やがらを食べさせてくれたイタメシ屋とその後」

「やがら」って魚を知ったのは漫画の「美味しんぼ」。
へえ、そんな魚がおるんや。へえ、旨いんや。いっぺん食べてみたいなあ。と思っていたら、なんとイタメシ屋で出た。
梅田は万歳町の「NORTH STREET CLUB」というイタリア料理店。
おっさん一人では入りにくいが、何か気になる店やなあ、と店の前をうろついていると店内から出てきた店の人が「どうぞ」とさわやかに誘ってくれた。
適当にグラスワイン1杯付きで3千円でコースを作って、というオーダーをした。
前菜には生牡蠣が、パスタはからすみが、メインは新鮮なお魚と、なかなか美味しいではないの。
ゆっくりと落ち着ける雰囲気で・・こりゃあ、また来よ。と2度目の訪問時に登場したのが「やがら」。
旨いがな、これが。これでこの店にはまってしまい、1ヶ月に1度は訪問することに。
マスターとも親しくなって1年あまり経ったある日、閉店の知らせを聞いてびっくり!
やっぱりこのへんは人通りが少なく、おっさんにとっては店で静かに過ごせたのだが・・。残念やなあ・・。
閉店後しばらく経って同じ場所に和食の店が出来た。
いっぺん行ってみよか。と訪れると、なんとマスターがおるやないの。
え?なんで?と尋ねると、閉店後に和食の店の話が出て、故郷の南紀すさみの魚中心の店を出す事になった、ということ。
店名も「南紀割烹すさみ」。イタメシ時から生牡蠣や魚が美味しかったので、こりゃ期待できるで、と思ったとおりのお味。早速常連になった。
埼玉の友人が来阪した際は鯖の刺身を特別注文し、舌鼓を打った。イタメシ屋の時よりも客の入りも順調のようで、よかったよかった。
と思っていると、インフルエンザ大流行が社会現象となって外食産業が大打撃を受けるという現象がおき、そのまま和食店の閑散期である夏に・・そしてある夏の日に・・閉店の張り紙が・・。
その後同じ場所に別の和食の店が出来た。が、あのマスターはいなかった。
中学校の娘さんがいるって言ってたけど、今頃どこで何をしているのかなあ・・。
新たに出来た和食の店「第八太平丸」もリーズナブルで魚が新鮮。和歌山在住で魚にうるさいおっさんの仲間も「ここええな」と好評。
ランチに夜の集まりに、とよく利用していた。ところがこのお店も1年半後の今年1月に閉店。
やっぱりこの場所は人通りが少ないので、食べ物屋は難しいのかなあ・・。