其の二十八 「鯛めし」

てんぷらの「与太呂」だが、もう一つ名物がある。「鯛めし」である。
土鍋でごはんと鯛を炊いて、炊き上がったらごはんの上に姿のまま乗っている桜色の鯛を見せてくれる。
その後、身をほぐして供してくれる。
これが旨い。
同じような料理を出す店が最近は増えたが、米と鯛の質、炊き方、だしの味、で同じ料理でも味に大きな差がつく。

鯛めしといえば、もう一つ全く違う料理がある。
江戸時代に島根県の殿様の料理であった・・というお触書の「鯛めし」である。
こちらは鯛のそぼろが乗ったごはんに出汁をかけて食べるというものだが、なかなか個性的でよろしい。
皆実というお店でチェーン展開しており、大阪にもお店があった。(最近行ってないので、今もあるのかどうかは知らない)