其の五十八 「未知なる世界 モロッコ」

ジブラルタル海峡を渡るフェリーは、併走するイルカを見ながらの楽しいものだった。
フェリーの中でサンドイッチを食べ・・バックパッカーのランチはサンドイッチが定番・・降り立ったのはタンジェという港町。
ここが全くの別世界。
空気が違うし、人の肌の色も違うし、目つきも違う、町の色も違う。
フェリーから降りると、すぐに人が寄ってきて片言の英語で、タクシーとか宿は、とか言い寄ってくる。
持っていたガイドブックにはタンジェのことが掲載されていたし、客引きについていくとろくなことはないのは旅の鉄則。
要らないよ、と言うが、とにかく蠅のようにうるさくつきまとってくる。
それでも無視して歩くと、なんとお尻を蹴ってきた。
何んという失礼な奴等や!後ろを振り向いて、「何すんじゃぼけ!」と日本語で言ったら、こちらを見て笑っていやがった。
腹立たしく思いながらガイドブックにあったホテルに到着。
すると何と日本人のカメラマンと遭遇。
彼はモロッコの原住民のベルベル人の写真を撮っていて、色々とモロッコの魅力について教えてくれた。
じゃあお言葉に従って、古都やサハラ砂漠の町やマラケシュカサブランカなどに行ってみようかな。
と、ちょっとだけ覗くつもりだったアフリカのモロッコにこのあと1週間旅することとなった。
旅の様子は、其の五十三「モロッコの旅」をご覧くださいな。