其の弐百八拾壱 「北極星のオムライス」

オムライス発祥の店として有名な老舗店なので、それ相応の店構えを想像していたが、意外に小さい。
場所も低層の雑居ビルの並び。
土曜の昼過ぎということで、店の前で待ち人が10人弱。
店内でも座って待っている人が見えた。
「うーーん、どうしようかなあ・・このまま寒空で数十分ってのは厳しいなあ・・。」
と思案していると、後から来た人が店内に入って行った。
「え?」と店内に入ると待って座る席が1人分空いていたので、とりあえず座る。
店員が何度か近くに来たが声をかけてくれないので、こちらから声をかけると、靴を脱いで上がるところに名前を書く紙が置いてあってそこに名前を書くように、とのこと。
それなら外にもその案内が書いたものを置いておくなどをすべきだろう。
もう少しわかるようにしないと。
外国人の観光客も多く、メニューも日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で表示しているのはいいが、やや配慮が不足している。
客の回転は割合に早い。
それでも15分程待たされてから、靴を脱いであがる。
大広間の畳の上で・・という昔の風情が残る店内だ。
最もシンプルなチキンオムライスを注文する。
エンジ色のベレー帽をかぶった女子店員が主に配膳係だ。
英語の発音がネイティブ風な店員は外見は日本人だが、表情に笑顔がないので韓国あたりからの留学生かもしれない。
ここでも15分程またされて待望のオムライスが登場。
「え?小さいやん。何これ・・。」と少々驚くほどのボリュームのなさ。
オムライス+エビフライ+サラダ+味噌汁というセットが一押しで、それ用に皿も大きいので、尚更小さく見える。
楕円形のノーマルなオムライスだが、上にケチャップの塊が乗っているのではなく、ケチャップ風味のソースが皿の上にまでかかっている。
北極星のケチャップが市販されているので、てっきりそれが上にかかってくるのかと思っていたが、そうではなかった。
市販されてもいるケチャップがベースなのだろうが、野菜なども加えてより旨みのあるソースに仕上げている。
隣席の男性は「美味しい!」とつぶやいていた。
うん、確かに悪くない。
卵の火の通し具合も、中のケチャップライスの味も。
ただ量がなあ。
780円という値段、そして味と量・・総合的に考えると・・。
ラーメンと比べると、合格点。ただ中華定食と比べると?がつく。
食後の満足感が今一つなのは、待たされた+量が少ないのであれば、もっと味も劇的に旨くあってほしい、ということだろう。