其の二十六 「関東と関西と下仁田ネギ」

時々関西に遊びに来る埼玉在住の友人と食べ物の話になった。
「東京は飯が不味い。」と友人が言うので、「確かにそうやが、大阪・関西よりも東京・関東の方が旨い食べ物もあるで。」と大阪在住のおっさんがこたえた。
まず蕎麦。最近は本格的な蕎麦も大阪で食べられるようになったが、やはり大阪・関西はうどん文化圏で、蕎麦は東京・関東の方がレベルが高い。
そして豚カツ。大阪・関西は牛肉文化圏で、すき焼きやカレーの肉は牛肉が基本。対して東京・関東は豚肉文化圏ですき焼き、カレー肉は豚肉が基本。だから豚肉料理の豚カツは関東も旨い。
あと比較ではないが、おっさんが群馬県ですき焼きを食べた時に驚いたのが、肉が豚肉だったことともう一つ、皆が最初に箸をつけるのが、肉ではなくネギだったってこと。
そのネギは下仁田ネギといって、おっさんはその時に初めて食するネギであった。
で、食べてみると、口の中でとろりととろけて甘い・・「え?何?これがネギ?美味しいやん!むっちゃ旨いやん!」・・すき焼きのだしを吸った下仁田ネギの味は、確かにメインであるはずの肉を凌駕する味だった。