其の弐百弐拾七 「ボンヴィラージュ」

泉南のフレンチ店ボンヴィラージュに十数年ぶりにランチに訪れた。
岸和田にフレンチ店ボンヴィラージュオゼ、泉佐野にイタメシ店チボリーナの2点を息子が開いている元、つまりお父さん店だ。
十数年前はこの店だけだったのに、繁盛して息子達も店を持って、幸せなお父さんってとこかな?
泉南の店は広くなっていた。
来店してみると、いましたお父さん。十数年前に比べるとちょっと痩せて少し老けたかな。
表情が以前はもう少し柔和な雰囲気があったが、ちょっと表情が固いなあ。
Aコース、2,500円+税を注文。このメニューだけクレジットカードは使えないと赤字で但し書き。
珍しいね。よっぽど利益率の低い・・つまり客にとってはお得な内容なんかな?
まずは前菜。大きな透明の皿に5品が載って出てきた。
鯵のマリネ、鴨肉の燻製、ソーセージ、アボガドとサーモン、帆立と烏賊のマンゴーソース和え。
ひとつひとつが納得の味。うーん、レベルが高い。こりゃあ大いに期待できるぞ。
次はジャガイモの冷スープ。
そして鶏肉の入ったリゾット。
フランス料理のコースにリゾットは珍しいな。
お!鶏肉が柔らかい!!初体験の柔らかさ。それがリゾットの歯ごたえと調和している。
メインは舌平目、鴨肉、茶美豚の3種から選択。
どれもたっぷりの温野菜が添えられている。
舌平目はライスペーパーで巻かれていて、旨みが閉じ込められている。
デザートは、ジェラートババロアに小さなチーズケーキと焼き菓子。
これをミルクティーで。
パンは2種類供される。
あー、お腹がいっぱい。量といい、料理の工夫といい、味といい大満足だ。
この内容でこの値段は信じられないほどだ。
ただ残念なことにサーブするスタッフの愛想がない。というか悪い。
お父さんは固い不機嫌そうな表情で無言でサーブ。
前菜の皿が斜めになっても気にもとめない。
一言尋ねても、にこりともせずに愛想のない答え。
何か悪いこと言ったか?何やねん客商売でその態度は?と言いたくなるほどの応対。
もう2人のサーブする女性も、無表情に運んでくる。
美味しかったですよ、と声をかけると、やっと笑顔をみせるが・・。
料理だけなら、また来るぞ!とか、今度は夜に!となるのだが、このサービスではちょっとなあ。
レストランって美味しい料理も、リーズナブルな値段も大切だが、総合的に楽しい時間を過ごせたかってのが大切。
そう考えるとサービスが悪くて不快な気分にさせる店ってのは総合評価が落ちる。
食べろくの点数が料理の内容の割には低かったし、コメントに料理は良いがサービスが、というものもあった。
納得だ。
十数年前はもっと愛想が良かったと思うのだが、繁盛してお金も入って傲慢になっちゃったのかな?
シェフの腕は進化したように思うけどね。