其の四十七 「北京ダック」

どこが旨いんや?
日本の中華料理店でうやうやしく出てきた北京ダックを最初に食べた感想だ。
うすっぺらい皮をクレープのようなもので包んで味噌だれをつけて食べる。
こんなもんよりも外の料理の方がずっと美味しいやん。
この考えが変わったのは、中国北京にある北京ダックの老舗で食べてからだ。
取引先の社長の友人がその店のマネージャーだということで、欧米からの観光客などで賑わっていた1階ではなく、2階の個室でゆっくりと味わえた。
入り口には世界各国の著名人が訪問した時の写真が飾ってある。
またダックを焼いている釜もある。
料理は前菜からスープ、そして北京ダック。
美味しいやん!何これ。日本で食べたのと味が違うやん!
まず皮の裏の肉が旨い。この皮の裏の肉があってこそ表面のパリパリの皮の旨さが引き立つというものだ。
そのままも旨いが肉の味が濃厚なので、クレープ?に包んで味噌だれをつけると、また別の旨さが・・。
なるほど。この味なら「北京ダック」とありがたがられるのもわかる。
また前菜もスープも旨いんだなあ、これが。
店の名前は「全聚徳」。おっさんが北京で食べた頃にはなかったが、今は東京に支店がある。